3歳1ヶ月の自閉症の息子さんのことで相談を受けました。相談者のご許可を得てブログ上で意見を述べさせていただきます。
「ねんねないない」「まんまうまいうまい」「どうぞ」「おい!」など言葉がでてきておりまして、それを誉めていたら、興奮した際や全く関係のない時にも 少し大きな声でそれを何回もいうようになってきています。適切な場面でその言葉を使わせていくにはどうすればよいのでしょうか?今までは こどもが言った喃語を大人が真似して言ったりしていたのですがそれは やめておいたほうがいいのでしょうか?一種の自己刺激になってきてるのかと不安に感じています。
言葉の発達には一定の条件があります。発声の頻度を高めることが最もベースの条件で、そのために喃語をそのまま模倣するという「逆模倣」をされていたのだと思います。これは別に悪いことではありません。次に「拡充模倣」や「模倣の練習」に進むことで発声のレパートリーを広げることができるでしょう。
もう一つの大事な条件は、ことばの機能、つまり「使い方を教える」ということです。自閉症の子どもさんは要求機能を持つことばが指導しやすく獲得しやすいことはよく知られていますが、現在お子さんが発していらっしゃる言葉はどんなことをきっかけにしてでてきて、どんな強化で維持されている言葉でしょうか?あまり要求ぽくはないですが、叙述の機能だとしたらこれはこれですばらしいことです。
また、それをほめることで発語が増えることは別に言葉の発達にとって悪いことではありません。おそらく子どもさんはどんなときにその言葉を使うとどんなことが自分に起こるのか?ということを今まさに学習している最中なのでしょう。
「興奮したとき」というのは嫌なことをやらされそうになったときや、好きなことをやめさせようとしたときかもしれませんがそうであれば「やめて」という機能としてその言葉を使っていることになります。持っている言葉自体少ないのですから少ない言葉を駆使して伝えようとしているというわけです。
このような「機能の混乱」は、ことばの発達期には普通にあることですので心配はいりません。オウム返しと同じように、言葉の機能を学習することによってやがて消失していきます。例えば要求の「ちょうだい」を初めて覚えた子どもさんも、最初は拒否の場面やしかられたときにその言葉を発したりするでしょう。拒否の機能も大きな分類はやめてほしいという「要求」なので混乱しやすいのです。拒否の時には「イヤ」を学習すればよいわけですがパニックなってる時にはそういった学習はできません。助けを求めるために知ってる言葉を全部出し切っているのでしょう。
好きな物を手に入れるときや、好きなことをしてほしいときに物の名前や発声しやすい擬音などのモデルを大人がだして、その言葉の一部でも模倣できたら強化するようにします。発声が出にくいなら動作でもかまいません。このようにしていくことで徐々に正確な発語に近づけていきます。そしてその際の発語は要求機能を持ってきます。