2009.10.26 Monday

自閉症カンファランスin鳥取

  午前中は事例発表と私の講演、午後は吉野邦夫先生の講演と現場の先生や当事者の方を交えてのシンポジウムでした。午前中の実践事例は非常にレベルが高く、また当事者の方の提言もなるほどとうなずける内容でした。吉野先生のご講演では、奇しくも私たちが行動療法学会で提言したポイントと同様、PDDと不安障害などの合併についてもアセスメントをして、治療に反映させていくことを強調されていました。また現在の診断上は除外される場面緘黙とPDDとの合併が疑わしいケースについては今後の課題としていきたいと思いました。
 診断というのは本来適切な治療技法の選択のためにあるはずなのですが、一方では治療と必ずしも直結しない仮説に基づいた細かな分類が現場の混乱をもたらすことになっているのも事実です。症状診断の限界もあるのですが、いっそのこと治療の有効性に基づいて症状診断の基準の細かな線引きを再考してはと思うこのごろです

井上雅彦 | - | 01:56 | comments(1) | trackbacks(0)

2009.10.24 Saturday

セルフモニタリング

今月は学会や講演が多く後半で息切れ気味です。ブログの更新も電車の中が定着してきました。

今月の大学での相談ケース回数は27回で小集団もあるので人数は50名位かと思います。研究と臨床、地域支援、教育と自分のエフォートの配分をうまくとらないと倒れてしまいそうで月毎に集計して調整することにしました。

外部の講演や事例のコンサルテーションは一日に午前午後夜と三回入れている日もありましたが11回でした

学会は今月は三回本日は中国四国心理学会です。

書いた原稿の数や内容や相談ケースの改善度など費やした時間だけでなくその成果も記録しないと労働効率性が上がらない気がします。

しかし記録行動が増えるとそれに見合った強化がされないと維持しにくくなりますのでグラフ化など工夫してみようと思います。

井上雅彦 | - | 09:39 | comments(0) | trackbacks(0)

2009.10.19 Monday

ベアトレの実施者養成

昨日の名古屋での科研の会議とワークショップが終わり米子へ帰る途中です。

昨年から飛行機が減便されたため午後の授業と相談に間に合わせるために新幹線と八雲で5時間かけて移動です。

ベアトレの実践者の養成ワークショップを今月は何回か行いましたが、自分なりの感触を掴んできました。

昨年作ったワークブックとペアレントメンターの参加でプログラムの実施に関してはかなりやりやすくなりました。

講義部分のビデオも作成しましたのでそれらを利用することで実施者はグループワークの部分に集中できるようになると思います。

あとは現在進めているペアトレ立ち上げ支援の研究を進めていくことです。立ち上げを考えておられる方のご相談にも応じていければと思っています。

井上雅彦 | - | 10:09 | comments(1) | trackbacks(0)

2009.10.19 Monday

ベアトレの実施者養成

昨日の名古屋での科研の会議とワークショップが終わり米子へ帰る途中です。

昨年から飛行機が減便されたため午後の授業と相談に間に合わせるために新幹線と八雲で5時間かけて移動です。

ベアトレの実践者の養成ワークショップを今月は何回か行いましたが、自分なりの感触を掴んできました。

昨年作ったワークブックとペアレントメンターの参加でプログラムの実施に関してはかなりやりやすくなりました。

講義部分のビデオも作成しましたのでそれらを利用することで実施者はグループワークの部分に集中できるようになると思います。

あとは現在進めているペアトレ立ち上げ支援の研究を進めていくことです。立ち上げを考えておられる方のご相談にも応じていければと思っています。

井上雅彦 | - | 10:09 | comments(0) | trackbacks(0)

2009.10.16 Friday

個別の教育支援計画のネットによる情報共有とその多様化

今週末も東京にやってきました。


日曜日にあったLD学会での個別の教育支援計画のネット化による情報共有の議論の補足です。


ネット上でのセキュリティーの心配は常に万全ということはありません。これは紙媒体でも同様だと思います

学校や教育委員会などの組織が導入する場合、セキュリティーの事項は責任問題になるので導入に踏み切るにはトップの理解やある程度の専門性を持つ管理者が必要でしょう。

また一人ひとりの教員や親にもセキュリティーや守秘義務に対する教育やインフォームドコンセントは必要でしょう。

昨年のシンポジウムの時にもコメントしたようにこうした組織ベースの情報共有という選択肢の他に当事者にベースを移すという考え方があってもよいと思います。個人がコミュニティーサイトを開設し必要な専門家や教師にパスワードをわたすという方法です。

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井上雅彦 | - | 22:36 | comments(1) | trackbacks(0)

2009.10.13 Tuesday

発達障害といわゆる二次障害・併存症状に対するアプローチ

行動療法学会も本日最終日を迎えました。

午前中のケーススタディは「発達障害児における登校・留守番行動の形成」ということで関西学院大の三田村先生による事例提供に対して親御さんと行う機能分析とその臨床的役割についてコメントさせていただきました。

午後は表題のシンポジウムの企画と司会をやらせていただきました。話題提供は医学の立場から国立精神神経センターの井上祐紀先生、臨床心理特に認知行動療法から宮崎大学の石川信一先生、特別支援教育の立場から横浜市立上管田特別支援学校の石坂務先生、指定討論は名東福祉会の久野能弘先生という豪華な布陣でした
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井上雅彦 | - | 19:11 | comments(0) | trackbacks(0)

2009.10.11 Sunday

ITを利用した発達支援の情報共有

LD学会にて表記のお題の自主シンポジウムで指定討論をさせていただきました。
指定討論の要旨
ネットを使った個別の教育支援計画については、必要に応じて日々の更新や発信や共有が可能なこと、ミーティングによる情報共有と比較して時間的制約を受けにくいこと、システムのセキュリティーがしっかりしていれば個別のデータファイルや紙のデータよりも安全であること。などがあげられる
反面学校という組織への導入段階では各自治体の個人情報保護の制度との整合性の確保、十分なセキュリティー確保と親の同意、教員のITスキルの向上、教員の過度な業務負担にならないことなどがあげられる。

これらの問題に対しては教員採用段階でのITスキルの評価や研修体制の整備、個別の教育支援計画作成やコーディネーター業務、情報共有に関する業務の定量化や法制化、給与面を含めた評価などの教員の業務の再整理やIT技術者の整備が必要なのでないか。

以前私が米国で見学した家庭と学校を結ぶシステムを導入していた学校では技術者も配置され親への情報提供に費やした業務量が給与に反映されるしくみを作っていた

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井上雅彦 | - | 16:06 | comments(2) | trackbacks(0)

2009.10.10 Saturday

今日からLD学会&行動療法学会

それにしても東京に来ると電車広告の中の大学の広告がやたらと目に付きます。これだけ大学があるのでしかたがないのかもしれませんがちょっと異様な感じも受けます。

学部も増えているのだと思いますがなにを学ぶかちょっとわからない新学科を売りにしてる広告が多くて思わずパロディ広告をつくってみたくなります。

小さな大学は小売店のようなもので百貨店の真似をしてもどうしようもないのですが狭いキャンパスをうまくとって学科名を並べただけのものもあります。

小さな大学は商品を増やすよりはむしろ減らして既存の学科の質を高め専門小売店として競争を挑んだ方がウリができると思うのですが焦りもあるのかもしれません。いずれにせよ学問の質以外の変数で大学間の競争原理が働く時代になってきたということなのでしょう

井上雅彦 | - | 11:07 | comments(2) | trackbacks(0)

2009.10.02 Friday

知的障害の多次元性

  いよいよ大学での授業も始まります。毎年少しずつ内容をバージョンアップさせているつもりですがまだまだ満足できるレベルではありません。私のHPには内容の一部がアップされていますのでごらんいただいている方もいらっしゃるかもしれません。特に「発達障害心理臨床特論」兵庫教育大学時代からの愛着ある講義です。

 講義に関連して知的障害のことでいろいろ下調べをしていますが、最近は知的障害関連の良い専門書がめっきりとでなくなりました。推薦本の一つは発達障害福祉連盟(旧日本知的障害者福祉連盟から出版されている「知的障害−定義・分類支援体系−栗田廣・渡辺勧持訳」という本です。AAMR(米国精神遅滞協会)が出しているマニュアルの第10版を翻訳したもので米国の動向などがわかり良書です。以下本文の一部抜粋です。


 知的障害は青い目あるいは具合の悪い心臓といったあなたがもっているなにかではない。また背が低いとかやせているといったものでもない。知的障害は疾病の医学的分類でコード化されうるが医学的障害ではないし、精神科的障害の分類においてコード化されうるが精神障害でもない。知的障害は小児期に始まる機能の特定の状態を指し、多次元的であり、個別的な支援によって肯定的な影響を受けるものである。以下略 

井上雅彦 | - | 04:10 | comments(0) | trackbacks(0)

2009.09.30 Wednesday

逆模倣と機能的な発語

 3歳1ヶ月の自閉症の息子さんのことで相談を受けました。相談者のご許可を得てブログ上で意見を述べさせていただきます。

「ねんねないない」「まんまうまいうまい」「どうぞ」「おい!」など言葉がでてきておりまして、それを誉めていたら、興奮した際や全く関係のない時にも 少し大きな声でそれを何回もいうようになってきています。適切な場面でその言葉を使わせていくにはどうすればよいのでしょうか?今までは こどもが言った喃語を大人が真似して言ったりしていたのですがそれは やめておいたほうがいいのでしょうか?一種の自己刺激になってきてるのかと不安に感じています。


 言葉の発達には一定の条件があります。発声の頻度を高めることが最もベースの条件で、そのために喃語をそのまま模倣するという「逆模倣」をされていたのだと思います。これは別に悪いことではありません。次に「拡充模倣」や「模倣の練習」に進むことで発声のレパートリーを広げることができるでしょう。

 もう一つの大事な条件は、ことばの機能、つまり「使い方を教える」ということです。自閉症の子どもさんは要求機能を持つことばが指導しやすく獲得しやすいことはよく知られていますが、現在お子さんが発していらっしゃる言葉はどんなことをきっかけにしてでてきて、どんな強化で維持されている言葉でしょうか?あまり要求ぽくはないですが、叙述の機能だとしたらこれはこれですばらしいことです。

 また、それをほめることで発語が増えることは別に言葉の発達にとって悪いことではありません。おそらく子どもさんはどんなときにその言葉を使うとどんなことが自分に起こるのか?ということを今まさに学習している最中なのでしょう。

 「興奮したとき」というのは嫌なことをやらされそうになったときや、好きなことをやめさせようとしたときかもしれませんがそうであれば「やめて」という機能としてその言葉を使っていることになります。持っている言葉自体少ないのですから少ない言葉を駆使して伝えようとしているというわけです。

 このような「機能の混乱」は、ことばの発達期には普通にあることですので心配はいりません。オウム返しと同じように、言葉の機能を学習することによってやがて消失していきます。例えば要求の「ちょうだい」を初めて覚えた子どもさんも、最初は拒否の場面やしかられたときにその言葉を発したりするでしょう。拒否の機能も大きな分類はやめてほしいという「要求」なので混乱しやすいのです。拒否の時には「イヤ」を学習すればよいわけですがパニックなってる時にはそういった学習はできません。助けを求めるために知ってる言葉を全部出し切っているのでしょう。

 好きな物を手に入れるときや、好きなことをしてほしいときに物の名前や発声しやすい擬音などのモデルを大人がだして、その言葉の一部でも模倣できたら強化するようにします。発声が出にくいなら動作でもかまいません。このようにしていくことで徐々に正確な発語に近づけていきます。そしてその際の発語は要求機能を持ってきます。

 



井上雅彦 | - | 13:55 | comments(0) | trackbacks(0)