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2007.01.23 Tuesday

乳幼児期から小学校までの連携システム

 今日は午前中はある市の乳幼児から小学校までの連携システムを考える会議での話題提供、午後教育相談、夜はサテライトでレクチャー。

 連携システムを考える場合、連携だけではなくどのように分業するかがキーワードになると思います。下手をすると同じような一時相談窓口が並ぶのですが話をそこで聞いてもらうだけといったパターンになりかねません。

 一年間の出生数、保健師さんの数、乳幼児の相談窓口の種類と相談件数、相談の種類、1.6ヶ月、3歳児検診の要フォロー率とフォロー形態、診断・投薬の可能な医療機関、保育所、幼稚園の数、巡回相談の形式、就学相談会の開催数と参加者数などをお聞きして何となくイメージがつかめてきたように思いました。

 まず第一は保健師さんの数(母子保健に関わる)が足りないことです。0歳から就学あたりまでフォローするとして、年間出生数が2500人として、0−6歳までは単純計算で17500人、15%程度フォローするとして2625名、20%では3500名。保健師さんの数は7名ということでしたので一人あたり380名〜500名を担当、ケースカンファをするにしても、、、、、。

 顔の見える援助には一桁違うでしょという感じ。ちなみに県内の別の町では年間出生数120名で保健師さん6名というところもあり、その格差は歴然です。市や町ごとにどれくらいの違いがあるのか、詳しい数字とサービスの違いを調べていこうと思います。

 次に保育所の数ですが、認可保育所30に対して無認可43。無認可の情報はほとんどつかめていないということです。

 幼稚園では学校教育法施行規則によって「指導要録抄本」が小学校に行くわけですが、保育所では法的裏付けがなく、個人情報保護条例もあって情報の連携は保護者の許可がなくては無理な状態にあります。またこの指導要録だけでは表現が抽象的で支援の参考にはならないのであまり活用されていない状態のようです。また認可保育所には「児童票」という発達段階を表したアセスメントみたいなものがその市にはあるのですが先の理由で連携には使われていないとのこと。ここらあたりの仕組みを考える必要がありそうです。

 また保護者の方の同意書の書式の表現が行政的で、いかにもサインするといろいろなことが勝手に決められていきそうな雰囲気でこれも改善していく必要がありそうです。少なくとも「アセスメントを受けることによってこのようなサービスを受けることができます。」くらいは必要だと思います。NY州のDepartment of HealthのHPをみるとこのあたりの表現はさすがという感じです。先輩保護者の方のご意見を伺うというのも手かなと思います。

 あとは幼小保の連絡会議で、どのレベルの子どもまであげるかというニーズが情報を受け取る側の小学校と、情報を出す側の幼稚園・保育所側でズレがあるように感じたことです。別の市では幼稚園の授業を小学校の先生が参観するだけでなく、その逆もやられていました。このような相互理解を進めていくことが必要なのでしょう。

 まだまだたくさんあってすべて書ききれないのですが、少しずつシステムを検討して、現実的な改善策を提案できたらと思っています。



 


井上雅彦 | 行政 | 23:59 | comments(7) | trackbacks(0)

2017.12.19 Tuesday

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コメント

私の母は、産休明けの認可保育所への入所を待機する無認可保育園を25年間運営していました。市の要請を受けて閉園してしまいましたが、実践研究も兼ねた発達障碍の早期対応のできる保育所運営を引き継ぎたいと考えたこともありました。

定員6名の家庭的な保育所だったので、地方出身の小学校のお母さん先生にも、「実家に
帰ったように安心する。」と喜んでいただいたり、私も小学生の頃からプチ保育士として
入り浸っていました。

一昨年、所属していた公立保育所では、夏期休暇に1週間、若手ホープの小学校の先生が3名実習に来られていましたが、保育の時間は休憩時間もなく9時から5時まで目を離す時間がないので、小学校よりも疲れたと実習の感想を述べていらっしゃいました。

京都市内に明治初期に建立された学校博物館を訪ねましたが、「開智」ということばが流行していた当時にも、寺子屋からコミュニティ住民主体の産声を上げたばかりの学校制度に却って目新しさを覚えました。

システムやルールは守るべきものですが、理不尽だったり、守ることが難しければ、変える自由があって然るべきだと思います。

教育現場で諸々の問題が浮上するなか、独自に体験してきたことが、意外と先駆けていたのではないだろうかと、井上先生のご研究のプロンプト?になればと思い、コメントさせていただきます。

ゆきんこ | 2007/01/25 11:03 PM

 地域資源にあわせて、いろいろな選択肢があったらいいですね。

 行政側の視点での認可、無認可の基準は、保育所入所に関する手続き的な部分が役所レベルから各園に任される動きにあるように規制緩和の方向にあるように思います。

 何かあった時の責任逃れではなく、行政はしっかりした基準をしめした上で、各園が独自性をだせるようにすることが大事なんでしょうね。

井上雅彦 | 2007/01/27 2:19 PM

保健師として勤務をしていましたが、発達障害について勉強をしたいと思い、現在は教育大学で障害児教育を勉強しています。
井上先生が書いておられるように、保健師の数や乳幼児健診の体制、フォロー体制、個人情報保護法がある上での情報共有・・。
小さい町でしたが、母子保健に関わる課題は山積みでした。
そして、私の周囲に限ることかもしれませんが、子どもの発達をみることへの自信のなさも保健師の間では強くあるように思います。
現在、声をかけあって自主学習会を開いていますが、忙しい中、勤務後に20名弱の参加が毎回あります。
幼稚園や保育所の先生方も、発達障害について知りたい、支援したいという気持ちはあっても、仕事をしながら知識や技術を深めることの大変さを感じておられたように思います。
現場で子どもと向き合う専門職への支援策についても、自治体で検討していくことが必要かと思っています。
乳幼児期の支援について、また教えていただけると幸いです。

とも | 2007/02/02 1:08 AM

ともさん
コメント遅くなりました。
PARSなどのネタもありますのでぜひお願いいたします。PDD関連の項目を入れることにより1.6歳3歳児検診のフォロー率を向上させ、保育所などへの巡回を密にしていくことが急務のように思います。
親と保健師・保育士の間の対立から子育ての協働にむけて少しずつでも取り組んでいきましょう。

井上雅彦 | 2007/02/12 1:42 AM

私の勤めていた県の自治体では、乳幼児健診の体制や、その後のフォロー体制などは、どの自治体でも、ほぼ同じ内容になってきている状況です。
ただ、細かく言えば、少し広域の療育につながるまでの支援で、自治体で行われている親子教室や巡回相談などについては、「質」の面で差があるのではないかと思い、聞き取りをしてみようと思っています。
また、合併した市町では、軽度発達障害を視野に入れた、乳幼児健診の問診項目の検討なども近年中に検討予定のようです。
大まかな形が整ってきて、心理相談員も自治体に常勤で配置されるようになってきている状況ですが、そこで保健師がどのような役割が持てるのか、持つべきなのかを考えていきたいと思います。
先生のHPを見せていただきながら、勉強していきたいと思います。

とも | 2007/03/01 9:23 PM

ともさん
質の面ではかなりの差があります。
O市では保健師さんとゼミ卒業生(心理)でペアレントトレーニングを行っています。他の市でも検討を始めたところもあるようです。

井上雅彦 | 2007/03/01 9:45 PM

現在、20名程度で独自の子どもの発達勉強会をしています。
その中で、アンケートや話し合いをしていますが、保健師養成課程が、4年生大学化してきた中で、子どもの定型発達についてのカリキュラムが十分に組まれていないことに疑問を感じています。
乳幼児健診での手技、発見、支援について、現場の保健師は重要性を感じています。
専門職としての保健師への何らかの支援があれば、人数的にも意識的にも、就学前の軽度発達障害の子ども支援に有効な職種だと思っています。
また、私の住む県では、比較的新人が母子保健を担う慣わしがあります。合併で規模が大きくなると、また変化があるのかもしれませんが、これからが いろんな意味で保健師の母子保健分野での変化の時なのかもしれません。

とも | 2007/03/01 10:14 PM

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