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2015.01.19 Monday

「出生前診断とダウン症」から意志決定を考える

医学科の学部生の心理学の講義で上記のタイトルをとりあげました。 


新型出生前診断については我が国でも2013年4月の開始から注目されており、国内37医療機関の実績の中で、2013-2014年4月までの1年間に7740人が利用し、「陽性」と判定された142人の妊婦のうち、羊水検査などで異常が確定した113人の97%にあたる110人が人工妊娠中絶をしていたことが話題になりました(例えば日本経済新聞)。


 講義では、妊婦自身が出生前に胎児の染色体異常のハイリスクを知り、その後の選択に繋がるプロセスについて、様々な立場や考え方、そしていくつかの海外の研究を紹介しました。


 「心理学の講義」としては、「自己決定」とされている行為が、言葉のニュアンス通り「主体的に選択する」という行為なのだろうか、という問いかけを学生たちにしてみました。


 私の専門である行動分析学という学問においては、「選択行動」というものは与えられた選択肢の条件と不随する情報、そして選択行動後の結果によって制御される行動ですが、今回の話題のように一度も行ったことのない「最初の選択」というものは、選択の前の先行条件である「情報提供」というものに強く依存するのです。 


つまり医師がどのような情報を与えるのか、妊婦以外の周囲の人々の意見や態度というものも、妊婦が置かれた立場や経済的要因と同様に「選択行動」の「先行条件」となるわけです。


 最近の研究結果によると、ダウン症に対して医師がネガティブな情報を与えているというものもありますし、医師ではなく「遺伝カウンセラー」にまかせてはどうだという風潮もあります。


 しかし遺伝カウンセラーの数は絶対的に不足していますし、その養成課程の中にダウン症の本人や家族に対して、直接接して理解を深める科目は含まれているのか、という疑問もあります。


 最後にダウン症協会が出している動画を学生さんに見てもらいました。 私自身すごく感動しましたものです。ぜひ多くの人たちに見てもらいたいものです。


もう一つこういう動画も見てもらいました。とあるタレントさんが自分の子どもがダウン症であることを告白した、ということをTVがとりあげたものです。番組の中身自体は家族の絆が描かれ、両親の言葉や思いも最後まで見た人にはしっかり伝わってくるものです。


しかし疑問に思うのは最初の「前振りの部分」です。ダウン症という存在に対して、必要以上にネガティブな印象を与える演出が音楽や字幕、語り口調、などで露骨になされていると感じます。


たぶんこれは母であるタレントさんの意図ではないでしょう。


この前振り部分は「視聴者のあこがれの存在であるタレントに降りかかった不幸」というネタを演出することで視聴率をねらうというメディア側の意図ではないかと考えるのは邪推でしょうか。

せっかくのしっかりした番組作りが、この前振りによって台無しになってしまっているように思えるのです。

たかが「前振り」ですが、我が国の多くの一般の人々は、先のダウン症協会の動画とこのTV映像のどちらの情報に触れやすいのでしょうか?


そして見た人は何を思うのでしょうか?










井上雅彦 | - | 23:47 | comments(0) | trackbacks(0)

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